ピアノ奏法研究

〜ピアノの上達する奏法の解説と音楽について〜


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ここでは、さらに具体的に「こういう場面でこうすると良く聞こえるよ」というポイントを解説します。深い音楽表現には必須の知識で、しかもここで紹介することは上級者は暗黙の了解で弾いているので、初心者・中級者・独習者のかたには目からうろこの情報もあるかもしれません。





”解決”とは、和音の解決のことです。例えばハ長調の場合は、ソシレファの和音からドミソの和音に変わることを言います。ソこのとき、ソシレファは「属7の和音」と呼ばれ、その和音だけでは不安定で、聞いている人は例え和声の知識がなくても次にドミソの和音が来ることを無意識に期待します。「属7の和音」の後にドミソの和音に来ると安心するのです。この不安定な和音から安定した和音に移り変わることを「解決する」といいます。この和音が解決する時には、ほとんどの場合あとの和音の方が小さくなります。楽譜にあまりかかれないお約束事のひとつです。「不安定な和音から安定した和音へ無事おさまりましたよ」という表現ですので、強弱にしっかり差をつけると和音が繋がり、溶け込んだように解決することができます。
この”解決”は調性のある曲ならどんな曲でも頻繁に出てきます。フレーズの終わりなど、その曲の調のソシレファにあたる音を探してこの法則を当てはめてみましょう。それだけで表現が深くなります。

この「f」と「p」は相対的に属7の和音が大きくなることを表したものであり、やや極端にかかれています。自然な強弱は耳で判断しましょう。



スラーでつながれた2音とは下の楽譜のように2つの音だけがスラーで繋がっている状態を指します。これも楽譜にかかれないクラシック音楽のお約束事のひとつです。音の高さの異なる2音を繋げようとする時に、ピアノ音は減衰音であるためにどうしても「ドーミ」なら「タータン」と2つの子音が聞こえてしまいます。この2つめの子音をなるべく前の音に溶け込ませて「ターァン」にしてしまうのが、2音のスラーの技法です。ふたつの音が繋がるには、下の図のように音の減衰を考慮して、先に出した音よりもはるかに小さな音を出さなければなりません。
 
 




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